巽の家

マンションの自然素材化リノベーションです。建て主は高齢の車いす利用者で、元々戸建て住宅で生活をされていたのですが、相続でマンションを貰い受けたことでこの計画が始まりました。車いす利用者の一人暮らしとなると一般的な車いすの寸法計画ではうまくいかないところが多々あると判断し、限られたスペースを有効に使うことも考え実測を繰り返しながらの設計でした。その結果車いすに乗った生活と床での生活、水廻りの使い方などさまざまな動きを想定し作り上げた空間はほとんどお一人で生活することができるものとなりました。またマンション特有の室内環境のデメリットも自然素材の調湿や消臭効果を使うことで快適なものとなりました。


大阪市 / 個人住宅(集合住宅内リフォーム) / 鉄筋コンクリート造 / 改修面積 68㎡(20 坪)

LDKから畳リビングを見る。家の中にもうひとつ建物が入っているかのような空間。40cmの小上がりは車いすの座面と合わせた高さになっている。
西洋漆喰の左官壁、天井にはヨシズ、建具には米松や経木すだれとさまざまな素材に囲まれた廊下。
玄関ホールと寝室を見る。寝室はさわやかな白い部屋とし、他の居室とメリハリをつけている。
小上がりで車いすから床座への移動がストレスなくスムーズにおこなえ、家の中を自由に行き来できる。
寝室はさわやかな白い壁
キッチンは既存を再利用し、LDK と調和するようシルバーのシート貼りをしている。
コンクリートの梁を隠すために低くおさえたヨシ天井が軒先と縁側のような雰囲気になっている。
テレビの上はクーラーを目隠しした棚