光窓の家 -2019
住宅やマンション、商店や学校など様々な用途やスケールの建物が建ち並ぶなかに神社や公園など緑豊かな施設が点在した閑静な街並みに白い家型をし、黒いアルミサッシで枠どられた窓が印象的なこの住まいが建っています。
敷地は北側に道路、東西は隣家が迫るなか、幸いにも南側が隣地マンションの平面駐車場という好条件の立地であった。
南北に長い敷地で東西からの日差しや眺望は期待できなかったため、日中の大半を過ごすLDKを3階に設け、南から入った日差しが建物奥まで届くようトンネル状の空間とし、南面を全面開口とすることとした。
しかし南側の全面開口は日中の日差しが強すぎるためブラインド等で遮蔽されることがよくあり、そうなるとこの開口の良さが失われてしまうため、屋根庇を深く出し光をコントロールすることで心地よい光だけが室内に広がるよう考慮した。
またLDKの勾配天井は最も高いところで4.4mあり、壁・天井とも漆喰塗りで継ぎ目なく仕上げることで狭小な住まいでありながら広がりを感じられる空間となっている。
さらにLDKが広く感じられる要素としてリビングに隣接したアウトドアリビングがあり、よりプライベートなスペースとして利用できるよう手摺壁を1.8mまで立ち上げ周囲の視線や喧騒をできるだけ緩和するものとした。
北側道路に面して設けた階段室は開口部をガラスブロックやハイサイドライトとすることで外部からの視線をカットし、ストリップ階段やモールテックスを塗った箱階段など様々な要素を組み合わせることで上り下りの際に色々なシーンが感じられるよう計画した。
2階は玄関や寝室、水廻りがまとめられており、特に水廻りは共働きであることの家事負担を減らすため「洗濯・物干・収納」が一ヵ所で完結するよう洗面所と一体となったドライルームとして充実したスペースとした。
キッチン上部のロフトや1階駐車スペースを兼ねたピロティは用途を限定せず、今後の展開に対応できよう柔軟性のあるスペースとなっている。
このように「光窓の家」は周囲を建物に囲まれながらもプライバシーを確保し、様々な角度から外部とのつながりが得られる素敵な住まいとなっている。
大阪市 / 個人住宅 / 鉄骨造 / 174㎡